【書評】『外資系投資銀行のエクセル仕事術』世界基準のエクセル術が身につく実践書

書評

おはこんばんちは!まおすけです!

今回紹介するエクセルに関する解説書はこちら!

ビジネスエリートの「これはすごい!」を集めた 外資系投資銀行のエクセル仕事術---数字力が一気に高まる基本スキル

モルガン・スタンレーなどの、
外資系金融企業の現場で使われているエクセルの術を学べる本です。

・見やすいエクセル資料を作りたい!
・エクセル作業のミスをなくしたい!
・エクセル作業を速くしたい!
・エクセルを使った分析を極めたい!

そんなあなたにオススメできる1冊です。

ちなみに、後述しますが、関数の解説は一切出てきません。
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著者はどんな人?

著者は「熊野 整(くまの ひとし)」さんです。
ボストン大学を卒業された後、モルガン・スタンレー証券に入社され、退社後は大手上場企業のに入社し、
事業責任者として事業計画の立案から戦略遂行の業務をされています。

「グローバル投資銀行のエクセルスキルを、わかりやすく伝えたい」というモットーの元、
2013年から個人向けエクセルセミナーを開催したところ、1年で3000人を超え、
大人気セミナーになったそうです。

仕事もできて、その仕事術を伝えるのも上手、というカンペキな人ですね。
(ひがんでねーよ。ちくしょーめ。)

『外資系投資銀行のエクセル仕事術』とはどんな本か?

この本で1番大事なこと

まず、最初にこの本で一番大事なことを伝えます。

「はじめに」からの引用です。

「本書は、いわゆるエクセルの技術指南書ではありません。
マクロはもちろんのこと、関数すら1度も登場しません。
また、難しい財務会計の計算も出てきません。」

え!?って思いませんでしたか?
エクセルの解説書なのに関数すら出てこねーの!?
って思いませんでしたか?

そうじゃないんです。
この本で著者が伝えたい1番大事なこと。
それは、

・エクセルの基本ルールを作ること
・基本ルールはチーム全員で徹底すること

です。

この本で色々とテクニック的なことも載っていますが、
すべてこの1番伝えたいことの上での話です。
以下、各章の概要を説明していきますが、この大前提を忘れないでください。

各章の説明

大きく以下の4章に分かれています。
1章 見やすいエクセル
2章 ミスのないエクセル
3章 速いエクセル
4章 エクセルで数字に強くなる

第1章から第3章はエクセルの基礎力を向上させる章です。
これらを勉強することで見やすく、ミスなく、速く業務を終えるようになれます。
そして、その基礎力を元に第4章でビジネスにおける意思決定力を上げていく、という構成になっています。

以下、各章の概要を説明していきますね。

「1章 見やすいエクセル」の概要

第1章では「エクセルの見やすさ」に徹底的にこだわることを書いてます。
理由は以下の2つ。

1.エクセルのストレスを減らせる
見にくいエクセルの表はどこに何が計算されているのか、構造を把握することに労力を取られがちです。
また、計算ミスがあっても発見しにくいですし、引き継ぎを行うときも非常に説明がしにくいです。
見やすいエクセルならそれが解消できる、ということです。

2.顧客やチームメンバーからの信頼を得られる
見にくいエクセルの表は、顧客から信頼されにくいです。
そりゃそうですよね。
見やすいエクセルと見にくいエクセルなら、見やすいほうがいいに決まってます。
エクセルを使った資料で営業をするなら、ここまでこだわったほうがいい、
ということがわかりやすく説明されています。

じゃあ、見やすい表ってどんなの?って言うと、こんな感じです。
劇的ビフォーアフターです。

エクセルの資料を加工して見やすくした資料

何気なくAfterになってるように見えますが、

このような見やすい表を作るためのルールがたくさん書かれています。

ちなみに青字になってるのも意味がありますが、詳細は自分で確認してください!
書くのめんどくさいんです

 

あと、冒頭に書いた↓を思い出してください。
・エクセルの基本ルールを作ること
・基本ルールはチーム全員で徹底すること

この綺麗なエクセル表を作るためのルールを、
チーム皆で共有するのが一番大事、ということが書かれています。

「2章 ミスのないエクセル」の概要

第2章では「エクセルの計算を正確に行うこと」を書いてます。
筆者が働いていた投資銀行では、計算ミスがウン億円のミスに繋がりかねないので、
十分に時間をかけてチェックを行うそうです。

その際に計算ミスを防ぐポイントは以下の3つ

1.シンプルでわかりやすい計算の徹底
できるだけシンプルな計算をすることです。
複雑な計算をしてしまうと、それだけでミスが起こりやすいので、
誰が見てもわかりやすい計算をすることが書かれています。

2.計算チェックの徹底
どんなにわかりやすい計算をしても、ヒューマンエラーをゼロにすることは難しいので、
しっかりチェックすることが書かれています。
そのチェックのための方法や、時間などについて詳しく書かれています。

3.チームワークの徹底
計算ミスは個人の作業ミスに起因するものもありますが、
チーム内のコミュニケーションのまずさから起きることも多いです。
それを防ぐためのルールの作り方、共有の方法などについて詳細に説明されています。

「3章 速いエクセル」の概要

エクセルの計算スピードを向上させるためのテクニックについて解説している章です。
スピードアップで大切なのは下記の「質」と「量」だと解説されています。

エクセルの質と量を解説した画像

②については、当ブログで解説している部分と重なるところが非常に多いです。
ショートカットキーが解説されています。

ただし、筆者は「ショートカットキーは無理して覚えなくていい」と伝えています。
筆者いわく、「エクセルで大切なのは、フォーマットの整え方や、計算チェックの徹底のほうが重要」とのことです。
つまり、①が一番大切ということですね。

とはいえ、やはりスピードがあればチェックの時間も増えますし、
当ブログの管理人としては、②のショートカットキーも非常に大事!と言わせてもらいます。
(でないと、当ブログの存在意義が消滅するので)

「4章 エクセルで数字に強くなる」の概要

最後の章は、第1章から第3章の話をもとに、
具体的な事例を使いながら、収益シミュレーションの立て方を解説しています。
ページ数は他の章に比べるとやや少なめですが、感応度分析の解説もしており、
非常に参考になる章です。

外資系投資銀行のエクセル仕事術のまとめ

冒頭でも書きましたが、この本の一番伝えたいことは

・エクセルの基本ルールを作ること
・基本ルールはチーム全員で徹底すること

です。
その他のテクニックは枝葉末節に過ぎません。

これは自分も非常によくわかります。
他人が作ったエクセル資料って、とにかくわかりにくい!
・なんやねん、この計算式!意味わからんわ!
・どこから数字飛ばしとんねん!
・SUMの範囲間違っとるやんけ!
・ええかげんにせーよ、ブッ○すぞ!

・・・すみません、私情が入りました。

この本は、
個人で読めば、エクセル技術の向上に繋がりますし、
チーム皆で読めば、全体の生産性を上げることができる、そんな本です。

関数ばかりの解説本に限界を感じている。
そんなあなたにオススメの1冊となっています。

 


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