
あー、しんど。

どうした?

上司がとにかく管理しようとしてくるんだよ。
いちいち報告させられるし、ノルマは厳しいし。。。

ああ、X理論、Y理論でいうX理論の考えやな。

X理論、Y理論?

人の本質がどんなもんかを説明した理論やな。
説明したろ。
- X理論、Y理論がわかる
- 人をマネジメントする方法がわかる
- 現代においてどのようなマネジメントがよいかわかる
今回は組織論、リーダーシップ論の基礎として、X理論、Y理論を説明します。
古典的な理論ですが、現代においても大いに参考になる部分があります。

現役の企業コンサルである私、まおすけがわかりやすく解説していきます。
X理論、Y理論とは
X理論、Y理論とは、
です。
というのに対し、
という前提に立ちます。
マネジメントスタイルは、上司がどちらの見解を取るかによって異なります。

・・・うーん、これだけじゃよくわからないよ。。。

そやろな。これからちゃんと細かく説明するで。
X理論について

まずX理論の説明やで!
X理論の前提
X理論における人間の見方の前提を詳しく説明すると、以下のとおりです。
- 仕事が嫌い
- 強制、統制、命令されないと動かない
- 責任を回避したい
- 野心を持たず、安全を望む
この前提に立ったX理論のマネジメントスタイルを説明します。
X理論のマネジメントスタイル
X理論のマネジメントスタイルは一言で言えば、
です。
具体的に言うと、
- 明確なノルマや命令
- 進捗を監督
- 上司への報告を強制する
- 未達成に関して罰を与える
などです。
X理論では、命令や強制による管理を行います。
X理論で管理されるのが向いてる人
パッと見、X理論でのマネジメントスタイルはブラックなイメージを与えます。
しかし、X理論でマネジメントされるのに向いてる人もいます。
例えば、
- 向上心は無い
- 責任を負いたくない
- 命令された範囲内で仕事がしたい
という人です。
あまり前向きな感じは受けませんが、色んな性格があるように、X理論でのマネジメントが有効な人もいるのです。
会社としてX理論が有効な場合
また、個人ではなく会社全体としてX理論によるマネジメントが有効な場合もあります。それは、
です。
例えば、機密情報を扱うのに

お前の自主性に任せた!
では任された方も困りますし、何かあった時に会社の管理責任を問われます。
大きなリスクがある仕事は、X理論にもとづいたマネジメントが有効です。
Y理論について

次にY理論の特徴やで!
Y理論の前提
Y理論の前提を詳しく説明すると、以下のとおりです。
- 仕事で心身を使うのは人間の本性
- 自分が決めた目標に向け自発的に働く
- 条件次第では責任を引き受ける
この前提に立ったY理論のマネジメントスタイルを説明します。
Y理論のマネジメントスタイル
Y理論のマネジメントスタイルは一言で言えば、
です。
具体的に言うと、
- 意思決定に参加させる
- 一定範囲の権限を与える
- 達成したら報奨を与える
などです。
Y理論では、部下の自主性を尊重する管理を行います。
Y理論で管理されるのが向いてる人
Y理論で管理されるのが向いている人の特徴は以下のとおりです。
- 仕事に対するやる気がある
- 仕事が楽しい
- 責任のある仕事を任されたい
- チームのために自分の力を発揮したい
現代においては、このような特徴を持った社員が歓迎される傾向にあります。
会社としてY理論が有効な場合
会社としてY理論によるマネジメントが有効な場合としては、
です。
企業の目標と社員の目標が一致していると、
社員は自発的に自分の能力を高め、組織のために動こうとします。
逆に言うと、そういった前提を作らないとY理論によるマネジメントはうまく行きません。
目的地がないまま各自が勝手に動く、烏合の衆となってしまいます。

なるほど、自分の上司は完全にX理論の考えだね。
しかし、頭いい人は違うねー。ゼロからこんな理論を考えつくんだね。

いや、この理論、実は元になった理論があるんよ。
それも併せて説明するわ。
X理論、Y理論とマズローの5段階欲求説
X理論、Y理論は「マズローの5段階欲求説」を元に生み出されています。
この2つの関係を説明します。
マズローの欲求の5段解説とは
まず、マズローの欲求の5段解説とは、
という理論です。
5段階は、それぞれ
- 生理的欲求…生命を維持したい
- 安全欲求…安定して身の安全を守りたい
- 所属と愛の欲求…仲間と関わりたい
- 承認欲求…他者から認められたい
- 自己実現欲求…能力を発揮したい
という欲求です。
1.2.3.を低次の欲求、4.5.を高次の欲求と呼びます。

で、この理論とX理論、Y理論ってどう関係があるの?

大丈夫、ちゃんと説明するって。
X理論、Y理論とマズローの5段階欲求説の関係
X理論は、人は低次の欲求に基づいて仕事をする、という前提で提唱されたものです。
一方Y理論は、高次の欲求によって人は動く、という前提で提唱されました。
つまり、その人がどの欲求を持っているかで、マネジメントスタイルが変わるということです。

ふむふむ、つまり人によって変わるということだね。
最近だとこっちのほうがいい!みたいなのはあるの?

一応あるでー。サラッと説明しとくわ。
現代においてはY理論が優位
では、現代の日本社会においてはX理論、Y理論のどちらが優位でしょうか?
です。
なぜなら、現代の日本社会では、低次の欲求は満たされていることが多いからです。
ただし、既に説明した通り、X理論で管理される方が良い人もいますので、その人の特性によって使い分けるのが重要です。
X理論、Y理論の留意点
また、X理論、Y理論にも留意点があります。
それは、
ということです。
X理論、Y理論は両極端な理論で、普通の人はその間のどこかに属します。
また、人によってX寄り、Y寄りかも違います。
マネジメントを行うには、他の理論も併せて学ぶのがおすすめです。
以下は、他の理論を学ぶ際に有用なサイトを紹介した記事です。

筆者も大いに参考にしてますので、よかったら併せて御覧ください。
X理論、Y理論のまとめ

そうか、うちの上司はX理論信者なんだね。

信者かどうかはともかく、X理論寄りの考えやろな。
でも、それは部下をよく見てるからかもしれんで。

どういうこと?

例えば、いきなり「自主性に任せる!」って言われたらどうする?

そりゃもう、遊びまくりのサボりまくりだよね!
仕事なんてしたくないもーん。

・・・うん、こりゃ上司が大正解やな。
今回は、組織論、リーダーシップ論の基礎として、X理論、Y理論を説明しました。
古典的ではありますが、人間の本質の一面を表した理論で、現代でも多いに参考になります。
自分のマネジメントスタイルを見直す際に考慮してみてはいかがでしょうか?
この記事が少しでもあなたの参考になれば嬉しいです。
それではっ!
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