皆さん、おはこんばんちは!まおすけです!
突然ですが問題です。
あなたが上司として、こんな指示を部下に出しました。
「分析は自分がやるから、紙のアンケート結果をエクセルに集計した資料作っといてくれる?」
そして部下から資料が出てきました。
あなたは、部下が作成した資料がAの場合と、Bの場合、どちらの資料を評価しますか?
Aの場合
きたねぇ。
適当に太字になったり、右寄せ、左寄せがバラバラだったりしてます。
Bの場合
見やすいですね。
見やすくするために左上に表の題名を付けたり、セル結合を使ったり、小計・合計をつけたりしています。
普通の感覚ならBを評価すべきですよね。
でも、実は評価すべきはAなんです。
Aの資料も上司に出すモノとしてはひどいですが、今回の指示を的確に把握している資料としてはAが大正解。
ということで今回は、エクセルで分析を行う際に使いやすいのデータの作り方について見ていきますよ!
Bの資料について
今回の部下への指示は「分析は自分がやるから」というものでした。
つまり、ここからまだあなたの分析という作業が入ります。
分析のための機能は色々とありますが、その際によく使う機能としては以下の2つが代表例です。
・抽出(例:項目1の○点以上の項目でフィルタをかけて抽出)
・並べ替え(例:項目1の点数の大きな順等に並べ替え)
これらの機能、実はBの資料だと、どちらもまともに使えません。
どんなふうに使えないかを説明していきますね。
フィルタがかかる位置
どちらもオートフィルターから使える機能なので、まず表にCtrl + Shift + Lでオートフィルターをかけてみます。
すると表の外にフィルタがついちゃいます。
これは一番上に表の題名(「アンケート結果一覧」)が付いてるので、エクセルさんが
「ここが表の一番上なんだね!」
と勘違いしてしまったのが原因です。
また、Ctrl + Shift + Lを押す場所によっては、変なところにフィルタがついちゃいます。
これは、途中で空白の行が入って、エクセルさんがそこで表が途切れたものと勘違いしてしまうからです。
抽出される項目
とりあえずこのままフィルタを開いてみると、
「①」とか「項目」とか無駄なものが項目として出てきます。
エクセルさんは、フィルタの下にあるものは全て項目として認識してしまうからです。
さらに途中で途切れて、分析のために出てきて欲しい項目(「32」や、それ以下の項目)が出てきていません。
これは先程の理由と同じで、途中で空白の行が入って、エクセルさんがそこで表が途切れたと勘違いしてしまうからです。
並び替え
とどめに、並べ替えしようとすると、こんなメッセージが出てきてしまいます。
絶好調でイライラします。
結局のところ・・・
Bは分析をしようと思ったら一手間加えて、分析できるデータに修正しなければなりません。
自分で適当にデータを作って操作してもらえればわかりますが、
同じことをAでやるとするとすんなりできます。
AとBでは何が違うんでしょうか?
ここからは分析しやすいデータとそうでないデータの違いを説明していきますね。
分析しやすいデータの特徴
今回の問題は部下が分析しやすいデータの特徴を知らなかったことにより起こる問題です。
ということで、ここからは分析しやすいデータの特徴を9つご紹介。
上記の例では紹介しきれなかった特徴もありますので、是非ご一読を。
1.セル結合がない
エクセルの仕様として、これがあったら並べ替えができなくなります。
実は並べ替えに限らず、色んな機能が制限されます。
この結合という機能、個人的にエクセルのすばらしさを妨げる諸悪の根源だと思ってます。
いや、もちろん必要な機能ではあるんです。
でも、この機能は「表の見た目をよくするため」だけに存在しています。
分析のための元データを作成している時に使うことはありません。
(セル結合による弊害については、後日記事を書くつもりです。)
2.四角い(余計なものが隣接していない)
表に題名等の無駄な項目がくっついていると、エクセルさんはそれも表の一部として判断してしまいます。
なので、フィルタをかけようとすると、その無駄にくっついたものまで表の一部として処理しようとするので、使い勝手が悪くなります。
3.先頭の行に1つずつ見出しが付いている
まず見た目として、見出しがないと何のデータが並んでいるのか、
想像はできてもパっと見た時にわかりにくいです。
また、1つでも項目が抜けてると、エクセルさんはここは見出しじゃない!と判断して、フィルターを掛けてくれません。
(無理やり行を選択してからフィルタをかければ、一応かかりますが)
4.縦方向にデータが並んでいる
エクセルさんは縦方向の分析は得意ですが、横方向の分析は苦手です。
オートフィルターも縦にしか抽出が出来ません。
(横方向の並び替えはできますが、操作がかなりめんどくさいです。)
なので、見出しが横方向に伸びていて、その下にデータが順番に並んでいるデータの方が使い勝手がいいです。
5.途中に空白の行がない
途中に空白の行があると、エクセルさんはそこで表が終わったものと判断してしまい、抽出も並べ替えもそこで途切れます。
6.小計や合計がない
どのような小計や合計が必要になるかはデータ分析の際に考えることです。
分析のための元データを作成する際には必要ありません。
データに小計や合計があると、エクセルさんはそれもデータのうちの1つとして認識してしまうので、分析の際にジャマになります。
(Bの例で言うと、「110」という青森県の小計がデータのうちの1つとして認識されてしまいます。)
7.全てのセルが詰まっている
何も入っていないセルは「(空白)」という1つのデータとして扱われます。
でも、何もないのであれば、「N/A」とか「 – 」とか「0」とかを入力して、本当に何もないことを表すほうが良いです。
データを受け取った側からすると、入力モレじゃないのか、という疑いが生まれてしまうからです。
もし生まれない人は注意力が足りないので、今後生まれるようにしといてください。
8.入力する値が一言一句ズレていない
エクセルさんは注意力がハンパないので、ちょっとの違いも見逃しません。
例えば、
「株式会社 エクセル」 (←全角スペース)
「株式会社 エクセル」 (←半角スペース)
「株式会社エクセル」 (←スペースなし)
は全て違う値として認識されてしまいます。
こうなると一度どれかに統一しなければ、分析がまともにできません。
このような入力のブレを防ぐにはプルダウンリストが有効なので、活用してください。
9.項目がある程度細分化されている
Aの資料のように
・郵便番号
・都道府県名
・市町村名
・番地
のように、項目はある程度細かく区切ってある方が分析の際に扱いやすいです。
なぜかと言うと、結合は「&」とか、「CONCATENATE関数」を使えば一瞬ですみますが、
分離は頭をひねりつつ「LEFT,MID,RIGHT,LEN,FIND」等の関数を駆使する必要があるからです。
要はくっつけるのは簡単、切り離すのはめんどくさいんです。
なので、分析の時は項目を細かく区切ってあるほうが後々扱いやすいです。
まとめ
今回は「抽出」と「並び替え」を例にして説明しましたが、
実はピボットテーブルや関数やマクロを使う時でも、Bの資料はすごく扱いにくいです。
分析しにくいデータは、一手間かけて分析しやすいデータにする必要があります。
せっかく手間を掛けて資料を作ったのに、資料を渡した相手にまで手間を掛けたのでは二重の無駄です。
ピボットテーブルや関数やマクロを使えば作業時間は劇的に短縮されます。
でも、それは扱いやすいデータがあることが大前提。
エクセルを勉強するときは関数やマクロ等のテクニックだけに偏らず、
その元となるデータの作り方についても気にしてみてください。
作業全体を見渡せば、必ず業務の効率化に繋がりますよ。
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